第8回日本ケータイ小説大賞表彰式
「第8回日本ケータイ小説大賞」表彰式にて受賞者と審査員、野いちご1日編集長。
左から逢優、鈴木美羽(新潮社「nicola」モデル)、いぬじゅん、小山内花凜(新潮社「nicola」モデル)、ハローキティ
(敬称略、2014年3月25日ドリーム*ステーション ジョル原宿)
受賞作紹介&審査員コメント
大賞 『いつか、眠りにつく日』(いぬじゅん 著)
【作品紹介】
高2の蛍は、修学旅行に行く途中、交通事故に遭う。…ハッと気づくと、自分の部屋にいた。わけがわからないでいる蛍の前に謎の男が現れ、この世に残した未練を聞かれる。蛍には、まだ思い残すことが、いっぱいあった。大好きなおばあちゃんともう一度会いたい、親友と仲直りしたい、そして、片想い相手の蓮に気持ちを伝えたい―。でも、残された時間はわずかしかなくて…。 生きることの意味を考えさせられる、温かい涙があふれる感動作。

【受賞者コメント】
いぬじゅんです。「いつか、眠りにつく日」は、『終わり』からはじまる物語を書きたくて作品にしました。そばにいる大切な人は、その距離が短いほど当たり前になっていて、普段なかなか気づかないものだと思います。この作品を読んで、大切な絆を思い出すきっかけになればこれほどうれしいことはありません。最後に、日頃から感想やレビューをくださっている皆様、何度も読み返してそれを力にすることができました。本当にありがとうございます。

【審査員:小山内花凜氏評】
人との繋がりを知れる作品です。絆っていうのは、友情だけではなく愛情もその一つなんだと分かりました。この作品を読んで、人との繋がりを大切にして生きていきたい。そう思いました。キュンキュンしたり、感動したり…。ぜひ皆さんにも読んでもらいたいです。

【審査員:鈴木美羽氏評】
この作品を読み、友達の大切さ・家族の絆を改めて見つめ直す事ができました。自分が死んでいると分かってからの主人公の強さに、「生きる力」を感じました。また、命の尊さについても考え直すきっかけになった、私にとって大切な1冊となりました。「自分はどうして生きているのか」そんな事を1度でも思ったことがある方に読んでもらいたいです!ラストは衝撃すぎてとても驚いてしまいました!!号泣する事間違いなしです。

【審査員:小野祐輝氏評】
今回のテーマである、「絆」を深く考えさせられる作品です。主人公が抱く愛する人への未練は、私たち誰にでもある切ない思いです。もしこれを解消するチャンスが与えられるなら、私ならどうするだろう?と思わず考えさせられました。また、最後のどんでん返しにはびっくり。驚きが減ってしまうとつまらないので種明かしはしませんが、「ああ、そういうことだったのか!」と思わず膝を打つ展開ですよ。ぜひ読んでみてくださいね。

【審査員:加藤有香氏評】
現世の未練を解消するために、大切な人たちに会いに行くという、絆をめぐる旅は今回のテーマによく合っていました。肉親、親友、好きな人、などへの想い(未練)は、誰にでも身近で共感できると感じました。読者を引き込む仕掛けがお話の中にあり、ケータイ小説の枠を飛び出したような読ませる力のある作品でした。

【審査員:大島麻衣氏評】
家族・仲間・密かに思いを寄せる大切な人、愛すべき人とのいくつもの「絆」の大切さに気づきます。主人公・蛍が徐々に自分の現実を受け入れ、成長していく姿がとても愛らしく、その冒険ストーリーにどんどん引き込まれる作品です。思いもよらないラストの展開…。きっとこれまでと少し違った新しいケータイ小説の世界観をお楽しみいただけます。ぜひ皆さん“最後まで”お楽しみ下さい。

【審査員:内藤麻里子氏評】
軽やかなファンタジーとして書いていながら、物語を通して人との絆をしみじみと感じさせられました。主人公・蛍が抱える三つの未練の配置と、幼稚園児の未練の絡みのバランスがとてもいいと思いました。自分ひとりが死んだと知らされても「亡くなる人が増えれば、悲しむ人も増えるから悔しくない」という蛍の性格は秀逸です。驚きのストーリー展開、工夫を凝らした描写など構成、文章ともよく考えられ、将来性を十分感じました。

【審査員:松島滋氏評】
冒頭はやや硬さが見られるものの、読みやすいリズム感のある文章で最後まで一気に読ませ、「絆」についてさまざまな角度から考えさせられました。自分にとって大切な人ときちんと向き合っているだろうか。後になってから後悔しないだろうか。頭の中に思い浮かぶ人たちのことを考えながら読んでいるといつしか涙が浮かんでしまいました。この作品を読むときには涙を見られないように、人がいない場所を探さないといけませんね。


優秀賞『てのひらを、ぎゅっと。』(逢優 著)
【作品紹介】
中3の心優は、彼氏の光希と付き合って幸せな日々を過ごしていた。しかし、突然病に襲われ、余命3ヶ月と宣告されてしまう。光希の幸せを思い、好きな人ができたと嘘をつき別れた心優。光希には新しい彼女ができ、心優は病と闘い続けるが…。ふたりの運命はどうなる!?命の大切さ、日常の当たり前のありがたさを教えてくれる、涙が止まらない感動作!

【審査員:小山内花凜氏評】
たくさんの形の「絆」を知れる作品です。そして、同時に命の大切さも知りました。心優の優しさや、支えてくれる人の優しさ。心が暖かくなるようなお話です。この作品を通じて、絆というものを感じてもらえたら嬉しいです。

【審査員:鈴木美羽氏評】
心優・光希の純粋でまっすぐなところに、私自身、物事をこんな風に考え、感じる事の出来る人になりたい!と強く思いました。なんとなく生きていて、なんとなく毎日を終えてしまっているような方たちに、ぜひ読んでもらいたいです。

【審査員:加藤有香氏評】
命を通じた「絆」のお話で、著者の想いや、強いメッセージが一貫して伝わってきました。主人公の女の子が余命宣告を受けながらも、自分よりも周囲を気遣う姿や、恋する切ない姿は、同年代の人たちに大きな共感を呼ぶと思います。読者の感情を揺さぶる、世界観に入り込める作品でした。

【審査員:大島麻衣氏評】
「大切な人に、今、伝えたい想い」が存分につまった感動作。一気に読んで、気づけば号泣していました。幸せな毎日から一転、死と向き合う限られた時間の中で、優しさから相手を思い、自分の気持ちを抑え、強がって我慢する主人公・心優。その姿に胸が痛み、思いを素直に伝えることの大切さに気づかされました。もし自分が同じ立場だったら…そんなことを考えながら、たくさんの皆さんに向き合ってほしい作品です。

特別賞『許される恋じゃなくても』(ゆいっと 著)
【作品紹介】
美桜と翔平は16年前、教会の前に捨てられていた。ふたりは、事故で親を失い、同じように親戚である教会の牧師に引き取られた理人と一緒に、3つ子として姉弟のように育つ。やがて、美桜は翔平に惹かれはじめる。血の繋がりがないとはいえ、家族との禁断の恋の結末は…。涙なしでは読めない、感動作!!

パープルレーベル賞『和神の血族~熱いアタシ×冷たいアイツ~』(岩長 咲耶 著)
【作品紹介】
高校生の里緒が、おじいちゃんから教えられた家に向かってみると…玄関の扉の向こうに広がっていたのは、なんとあやかしの世界!しかもなぜかそこに、同じ高校のクールイケメン・門川くんがいて…?ハラハラドキドキで夢中になれる和風ファンタジー。

ブラックレーベル賞『ナナツノノロイ』(北沢 著)
【作品紹介】
高1の奈々子は、ふとしたことからマリと友達になったが、愛華にそそののかされ、マリをいじめるグループに入ってしまう。イジメの果てにマリは死に、トイレに隠された死体もその後なぜか消えてしまう。そしてイジメに加わった少女達は、マリの呪いか、七つの大罪にまつわるメールが送りつけられ、次々と悲惨な死をとげていく…。少女達の醜い争いが残酷な悲劇を巻き起こす超絶叫ホラー作!

◇審査員
小山内花凜  新潮社「nicola」モデル
鈴木美羽  新潮社「nicola」モデル
小野祐輝  株式会社ベネッセコーポレーション 中学生事業部 部長
加藤有香  カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 エンタテインメント事業本部 FC本部 Book&Cafe部 TBNユニット BOOKMDチーム
大島麻衣  KDDI株式会社 新規ビジネス推進本部 auスマートパス推進部 書籍グループ
内藤麻里子  毎日新聞社 編集編成局 学芸部 編集委員
松島滋  スターツ出版 書籍コンテンツ部・販売部統括部長